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文書管理が必要な理由
社内様々な文書があり業務効率化や漏洩リスク軽減のためには一元管理することが望ましいです。
一元管理は、文書を一カ所に集約させるだけでなく、文書の管理方法も統一し組織全体で取り組む必要があります。
冒頭でお伝えした2点について下記に詳細を記述します。
1、情報漏洩リスク軽減のため
文書管理は、企業のリスクマネジメントの手段でもあります。
文書には情報漏洩・紛失・誤廃棄などのリスクが伴います。
機密文書ともなると情報漏洩による損害賠償など生じる可能性があるため非常に扱いが重要になります。
そのため文書を一元管理しておくことでトラブル発生リスクを軽減させることに加えて、何かトラブルが発生しても、文書による業務記録を残しておくことで不正行為等がなかったことを証明できるため、社会的なダメージを抑えられるケースもあります。
2、業務効率化のため
紙媒体の場合は、書類を保管するための備品やスペースが必要となりますが、バラバラに管理されていると必要な情報を獲得するために時間を有するのと必要以上の維持管理費がかかってしまうケースがあります。
一元管理することで、文書の維持・管理にかかっていたコストの削減が可能となります。
文書管理における3つの分類方法
文書管理の分類方法は3つあります。「ワリツケ式」と「ツミアゲ式」、そして2つの中間にあるような「ハイブリッド式」があります。文書管理の目的は、業務効率化や情報漏えい防止などコンプライアンスの強化が目的です。
情報収集効率の向上や文書の漏洩・紛失を防ぐためにも、文書の分類・管理は非常に重要といえるでしょう。
3つの分類方法の特徴やを理解した上で自社にとって適切な分類方法を選択しましょう。
下記にて各3つの分類方法について詳しく記載致します。
ワリツケ方式メリット・デメリット
ワリツケ方式の文書分類ではトップダウン方式とも呼ばれており、文書を分類する方法を総務部など一部の管理部署が決定する方法で、大分類→中分類→小分類というように文書を分けていきます。
そして管理部署がレギュレーションを整え、全社で統一した管理を周知・徹底する方式のことをいいます。
・ワリツケ方式のメリット
ワリツケ方式は管理部門の指導のもとで分類分けが行われることから、文書の分類がスピーディーに進められるというメリットがあります。
・ワリツケ方式のデメリット
ワリツケ方式では文書管理部門は各部業務の確認を行なった上で分類ルールを決定しますが、現場で扱っている細かい書類までフォロー出来ない可能性があり実務担当者の意向に沿っていない場合もあるので、実務的ではなく運用に手間がかかってしまう可能性があります。
ワリツケ方式を実施する場合は、実務担当者と文書管理部門で十分な認識の擦り合わせを行う必要があります。
ツミアゲ方式メリット・デメリット
ツミアゲ方式は、ワリツケ方式とは逆に実務担当者が文書の分類ルールを作ります。現場をしっかり理解した実務担当者がルールを策定するため現場の細かな文書を漏れなくフォローすることが出来ます。
・ツミアゲ方式のメリット
ツミアゲ方式では現場の業務・文書の活用方法をよく理解した実務担当者が現場のニーズに沿ってルールを策定出来るため、実務的かつ効率的な文書分類ができます。
・ツミアゲ方式のデメリット
ツミアゲ方式は部署ごとに文書の分類方法を定めるため、時間がかかったり、部署間の連携の際に手間がかかったりするケースがあります。
また企業全体で見ると企業内で複数の文書分類の方法が存在することになり、組織横断的な文書管理が難しくなります。
加えて社員が部署間異動があれば、社員は新しい部署での文書分類の方法を一から覚える手間も発生します。
2つの要素を組み合わせたハイブリッド方式
ハイブリット方式はワリツケ方式とツミアゲ方式の中間にあたる文書分類の方法で、両方のメリットが取り入れられている方法となります。
具体的には、上位階層から一定の階層までの分類方法をワリツケ方式で行い、それ以降の階層の分類はツミアゲ方式を使います。
上位階層の文書は全社的に同じルールで統制を取り、下位階層の文書は実務担当者が使いやすい分類方法が設定可能なので、バラツキが生じにくくなり、他のメンバーが目的の文書を検索しやすくなります。
文書の分類基準
文書分類に明確な基準があると、全体的に分類のばらつきが抑えられ整理・検索もスムーズになります。
逆に分類基準がないと、文書管理の本来の目的である業務効率化が実現することが難しいため、効率的に分類するためにも何を基準に文書をグルーピングするのか明確にする必要があります。
加えて、分類に漏れや重複が発生しないように気を付けましょう。
以下に主な分類基準を記載致します。
・形式別
見積書・通知書・契約書など、書類の形式で分類する方法です。また、50音順発生日や重要度、に並べて検索性を高めることも可能です。
・手順別
業務プロセスに応じて文書が発生する場合、手順別で分類するとよいでしょう。
例えば、営業プロセス・製造プロセス・人事プロセスなど、プロセス順に各階層を作り、ツミアゲ方式で発生日や顧客別などの分類分けをします。
わかりやすく検索性も高まります。
・発生日別
取引関連の文書などは、文書作成の年・月・日ごとに分類すると管理しやすいでしょう。
新しい順に時系列で並べると時間の効率化につながります。
・顧客別
顧客の名前を50音順で分類する方法です。
50音順以外に、使用頻度や案件の優先順位などで分類したり、事業内容によっては、顧客の地域などで細かく分類するのも良いでしょう。
文書管理のポイント
文書管理する際に気を付けたいことが、分類分けが複雑なもの・実務的ではないもの・理解が難しいものになってしまうと、正確な文書管理が行えなくなり社内の情報収集に時間がかかってしまうことや文書を紛失してしまうなどの問題が起こりやすくなります。
そのため文書分類のポイントを抑えた上で、文書を正しく分けられることが重要になります。
また、特に気を付けたいのは文書のタイトルと保存期間の設定です。
・ファイル名の付け方にルールを設定する
紙媒体も重要ではありますが電子データの場合、データが埋もれやすいというデメリットがあるため、ファイル名の付け方にルールを設けると良いでしょう。
具体的にはデータの内容の前後に半角英数字で作成日を入力し、最新のデータが分かりやすくする方法があります。
例えば、最新のデータを取得したい場合にデータの前後に「最新版」や「修正済」など抽象的な情報が記載されていた場合、どちらが最新のデータか分からなくなってしまう上に同じような名称のデータが乱立してしまう事態も発生してしまうため具体的な日にちを入れるようにしましょう。
・各文書の保管期限を確認する
書類は時間とともに増えていくため、必要のなくなった文書は処分していくことも管理をする上では必要なポイントです。書類によっては、商法や会社法などによって保存期間が定められている『法定保存文書』として扱われるため、定められた保存年数を守って管理するのが一般的です。保存期間は文書によって異なるため、それぞれについて予め保存期間を設定して、不要な文書がすぐ分かるようにしておくと、分類がスムーズになります。
・分類を細分化し過ぎない
分類を細かく分ければ、より文書が管理しやすい場合もございますが、あまりに細か過ぎる分類は実務的ではありません。
分類が細分化すれば、分類作業や情報収集に手間がかかる可能性があり、逆に非効率な状態になってしまうことがあります。
・文書の分類方法を周知する
実際に書類の分類作業をするのは社員なので、仮に文書管理の分類分けを理解できていない社員がいた場合、すぐに文書管理が乱れてしまいます。文書の分類方法に分かりやすいルールを設定し、全社員に共有することが必要です。
研修などの機会を設けて文書管理の目的・重要性と同時に文書分類のルールを周知すると良いでしょう。