現在の企業では、個人情報保護法が施行されてから、個人情報を含む機密文書類の取扱いが厳しいものとなりました。書類や情報を記録した媒体の社外持ち出しを禁止する企業が増加し、機密情報の漏洩を防ぐことを社員に義務付けるようになっています。
一般の企業でも、これまでのように機密文書をそのまま破棄することをせず、シュレッダーを購入する等、裁断してから捨てるようになって来ています。
機密文書持ち出しについて、社内ルール化している企業が多いのでしょうが実際はどうなっているか、ちょっと気になりますよね。そこで、アンケートを取ってみました。
【質問】
持ち出しのルールが規定されている場合、その規定を守っていますか?【※オフィス勤務経験がある方】
【回答数】
いつも守っている:71
ほとんど守っている:24
あまり守っていない:2
守っていない:3
いつも守っているという回答が一番多い!
アンケートの結果、「いつも守っている」が、71%で1番多い回答となりました。
・持ち出しルールが規定されているため、自分の落ち度で漏えいしないよう常に守っています
・ルールを守っておくことで、万が一のトラブルに巻き込まれた際の責任が軽くなるからです
・外部の漏洩は場合によっては首が飛ぶだけでは無く莫大な損害賠償も請求されるパターンがあるから
・守らないで持ち出した場合に会社に損害を与えるような事があれば賠償等の責任を取れないので、規定はしっかり守っていた
・万が一の事態が起きた際の対処に困るため、規定ルールに従って持ち出しを行っています。また、ルールを破って持ち帰った際にトラブルが発生し、持ち帰りが出来なくなると、仕事に支障が出るため、注意して行っています
機密文書を許可なく持ち出した場合、トラブルが発生した場合の責任を考えるとその代償が大きいため、社内ルールを守るという意見が大半のようですね。回答した約7割の人が、機密文書の持ち出しについては、キチンとルールに則って対応しています。企業としてのコンプライアンスが定着しているといえるのではないでしょうか。このように、ルールを守る社風がある企業では、機密文書の破棄についてもシュレッダー等を使用し、処理しているのでしょう。
ほとんど守っているという意見も多いが…
アンケートの結果、次に多かったのが、「ほとんど守っている」と回答した人が、24%でした。「あまり守っていない」や「守っていない」と答えた人もいました。
・守っておかないとばれた時が面倒なので、出来る限り守るようにはしています
・規定されているかどうか知らないですが、きっとルール違反はしていないはず
・会社のルールなら守るのが当然です。ですがそのルールを知っているかどうか…知らないでやっていることはあるかもしれません
・持ち帰らないと仕事が進まない。他の人もそうしていて、黙認状態だったので、上司の承認を得ず持ち帰っていました
・社内の規定はあるはずなのですが、誰もその内容を知らないので、守りようがありません
ほとんど守っている、と答えた人の中には、守るようにしているという努力目標のように捉えていたり、社内ルールがあるかどうか、あったとしても内容についてよく分かっていないという意見も見受けられました。あまり、守っていないというケースでは、ルールはルール、実際の業務にはあまり関係ないとう姿勢が伺われ、守ってないケースではルールがないか、誰も守っていないことに問題意識がないといってもよい状態ですね。
社風として、機密文書の取扱いについて、重要視していないような企業にとって、機密文書を破棄する場合もシュレッダーなど使わず、そのまま捨てているのかもしれませんね。
機密文書の取扱いに関して問題があるところが多いといえる
アンケートの結果、社内ルールを守っていると答えた人が、約7割いる訳ですが、この場合はルールを守っている人が多いですね、という話で済ますことが出来ないでしょう。本来、機密文書の取扱いは、ひとつ間違えれば企業の存続に関わる事態に成りかねない問題であり、ルールを守っていない可能性がある人が約3割もいた!という見方をすべきものなのかもしれませんね。
機密文書の持ち出しやシュレッダー等による破棄について、ことの重要性を真剣に考える必要があることを、今回のアンケートは示してくれているのかもしれません。
調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
有効回答数:100サンプル